ss0915 募集
「嫁さん募集中 か。」
「アルバイトの時給安くない? これじゃ誰も来ないわよ」
「都会の相場はこんなもんだよ、田舎は時給高いぞ」
「そっか、そうだわよね」
「夫の募集全然無いな、どうしよう」
「うぷぷ」
「子供の募集もあるけど、良い遺伝子の子供は最高の時給だな、時々募集のある夫の何倍もの時給だ。あたりまえだけど」
「あたしも良い遺伝子の子供を雇いたいわ。絶対無理だけど。お金持ちの婆さんが何十人も雇っちゃうのよね」
「でも、人間を社員として終身雇用して縛る事は禁じられているから、どんなに可愛い子でもいつかは手放さないといけない。それに子供は時給の高いところへ高いところへと移っていくものだし。 …、しかしお金持ちの婆さんって設定、凄いよな」
「そうね、人間製造機で造られた時点で既にお婆さんなんですもの。でも雇い雇われるというこの相互依存の社会で、お金使い放題の設定は素適だわ」
「それに比べて俺って… なんのために貧乏な夫という設定で造られ存在してるんだろ」
「うぷぷ」
「でも、長く子供やってる人って、近くでよく見ると… 細かい皺がぎっちりだよな」
「そうね、造られたての婆さんの肌のほうが綺麗ななだらかな皺よね」