「長く人間やっていると、若い子とのジェネレーションギャップを感じるな」
「そうですか、部長。じゃああたしのどういうところで感じちゃうんですか?」
「たとえばきみのその右脳が大きくて左脳が小さいアンバランスな頭とか、歯の数が少なく、親知らずという言葉も知らないだろうが、その親知らずも生えない物凄く小さな構造の顎とかだよ」
「そういえば、部長って野獣のような感じですよね、その頭といい顎といい」
「違うって、昔の人間はこうなんだって。それからきみの蜘蛛のような胴体より長い手足、腸が俺のクウォーターくらいしか無いんだろうな、身長はきみの半分くらいしか無いのに座ると俺の方が背が高くなる」
「うっそう! ほんとうだわ部長って変な生物〜」
「… そういえばきみたちの世代は野菜繊維を分解出来ないくらいに腸が超短くなっていたんだったね」
「なにを言っているのかわからないわ」
「それはそうと、産休が終わってこうしてまたきみと仕事が出来るわけだけど、子供はどう?」
「それが… 左脳側頭部辺りから一本触覚のようなものが生えているのよ」
「ええっ!! なんだって!」
「それがうちの子だけじゃなくて保育所の子みんなに生えているのよ。どうやらテレパシーが出来るようなの」
「…、、、携帯電話を製造しているうちの会社の運命は…」
「それもそうだけど、ジェネレーションギャップを感じるわ」