ss0905 進出
「血管や神経って、意外と何歳になっても伸びたり死滅したり結構アクティブに改変するものなのね」
「そのようだね、もちろん胎児や子供には及ばないけれど、そういう変化を受け入れられるようにはなっているんだね」
「もっとアクティブにもっと能動的にもっと侵略的にすることはできないかしら」
「今の遺伝子操作技術をもってすれば可能かもしれないけれど、やってみる?」
「ええ、お願い、あたしで試してみて」

「どう?」
「凄いわ、血管や神経を集中させたい処に意思の力だけで繁らせることが出来るわ。あたし妊娠してないのに胸に神経と血管を増やしたら、おっきくなってミルクまで出て来たわよ」
「おお、ナイスバディーになったな」
「それだけ? あたしを欲しいとか思わない?」
「なにを言っているんだ、ぼくは妻子持ちだよ」
「でもあたしはあなたが欲しいわ。あなたの体を自由に支配して感じてみたいの」
「うわっ! やめろ!!」

 こうして二人は結ばれた。彼女の血管、神経は体外に出て、彼の体内にまで進出したのだった。