「人間や物も圧縮して送る時代になったわね」
「そうね、遠くの星への転送はもちろん地球内での移動も圧縮転送が主流になりだしたわ」
「原理は昔のパソコン時代の圧縮方法とあまり変わらないのね、それを物質や生体にも応用しているのね」
「圧縮には色々な種類があって、それを引き継いでいるから注意しなければならないわよ」
「そうなのよね、種類が多すぎてよくわからないわよね、基本は全く同じ物を転送先で組み立てる事だけど、機能的に変わらない物は無駄な物を省きながら圧縮して、そのダイエットされたままの状態で転送先で組み立てられるようね」
「あたしそれ気になってたのよ、もしかして通信料だけでダイエットされた体を手に入れられるんじゃないかしら?」
「そうね、あなた… おデブちゃんですものね。健康のためにもやってみたら?」
「あら? やってみたはいいけど、全然やせてないじゃない。でも…」
「あたしはノーマルに可逆圧縮で転送してもらったからなんともないわよ、あなた大丈夫?」
「外見はおデブのまんまだけど、なんか体が軽いわ、なんか不思議…」
「それだけ?」
「あんた誰だっけ?」
「 … … … 記憶もダイエットしちゃったのね」