ss0901 マトリョーシカ
「マトリョーシカの構造って爆弾に使えそうだわね」
「そうね、人形の中に人形が入ってて、そのまた人形の中にも人形が、そしてその中にも… だから、爆発寸前に中身が脱出して次の爆発ターゲットに向かえれば強力な武器になるわ」
「そうよね、もちろんあたしたちは人形を使うつもりはないけどね、あたしたち宇宙時代になったタリバンも伝統の婦女子の自爆テロが基本よ」
「そうよ、伝統は引き継いでゆかなければならないものだからね。つまり何重にも単為生殖で胎児を身篭っおいて、出産と同時に成長促進剤で急成長させて次のターゲットに向わせられるようにするのよ」
「完璧ね。でも、食料や爆弾が子や孫や曾孫玄孫に引き継いでゆくうちに小さくなってゆくわよ。ナノにまで小さくなった玄孫は大変だわ。ピンポイントまで到達できれば小さな火力でも威力はあるけれど…」
「そ、そうだわね、なら、大元のマトリョーシカ人間を大きくしておけばいいんじゃない?」
「! そうよ、それだわ、大元のマトリョーシカ人間を小惑星規模にでもしておけば安心よ」
「って、でも、それだけ強大な同士を秘密裏に作れないし、作れたらとしても…、一発でかたがついて紛争は終わりよ。マトリョーシカ構造にする意味もないわ」
「そうね紛争というものは世界のバランスを保つ為に、マトリョーシカのように引き継いでゆかないとならないものだしね」