ss0889 負けず嫌い
「日本人って、けっこう負けず嫌いの人が多いよな」
「そうね、日本人はA型の血液型が多いからじゃない?」
「ああ、科学的根拠はないけど、そのようだね、ドイツもA型の人が多いようだよ」
「まあ、やっぱり。同じ工業国で手先が器用で頑固… そして負けず嫌い。よく似た国だわ」
「大戦の時は意気投合して同盟まで結んだけど、両国とも負けず嫌いなのに負けちゃったね」
「…」
「そんな、血管を浮き上がらせなくても。でも、負けて良かったんじゃないの?」
「なんですって! 負けて喜ぶ馬鹿居ないわよ」
「まあまあ、だって、僕等が持っていた文明よりも高度な文明を結果的には奪う事が出来たわけじゃないか。僕等が勝っていたらプライドが邪魔してその高度な文明は粛清こそすれ吸収出来なかったと思うよ」
「負けるが勝ち… ね」
「そうだよ。でさ、今宇宙人と宇宙戦争やってるだろ、地球は優性で相手の星の首都を攻撃し始めたじゃないか」
「そうね、そこを破壊せずに勝利はありえないけど、貴重な彼等の文明を手に入れられなくなるわ」
「だろ、きみ地球の総督の愛娘だろ」
「そうよ」

 その男は、色男の地球人に化けていた負けず嫌いの宇宙人であった事は言うまでも無い。