ss0886 さとるくん
「ブッタって、ゴーダマシッタルダって、知ったるだ〜とか言って悟ってしまったんだよね」
「んだんだ、さとるくんになってしまったんだよ」
「しかし… 意味ないよね、悟るって事は宇宙の全ての仕組みをこの世で知ってしまうって事で、修業の終わりを意味している訳なんだもん」
「そうそう、この世に居て、天上界に居るのと同じ意識を持つという事だから、他の修行中の擬似個体を導く事は出来ても自分自身の擬似個体の進化はあまり望めなくなる訳だからね」
「でも、地球での現象生活も転生輪廻を繰り返してみんな長くなってきたから、いずれはみんなこの現象世界でさとるくんになってしまうかもよ」
「そうなんだよね、自分以外の命を奪わないと現象界に留まれないという究極の戒律アイテムもさとるくんになってしまえば意味が薄れてしまい、なんの修業材料にもならなくなってしまう」
「どうしたものかな、さとるくんにならないようにもっと生きる事は苦であるというふうにしないといけないのかな」
「いや、結構今まで苦のレベルは上げて来ている。これ以上上げてしまうと自殺者が増えすぎて、実在界に戻ってしまって修業はストップだ」
「なんとかみんなアラハン級レベルあたりで留めて置く方法は無いかな?」
「う〜ん…」
「そろそろ地球以外の星に行ったらどうだろう。今と全く違う現象個体を持てば、新しい価値観での修業が出来るかもよ」
「そうだな、でも、他の修業グループとぶつからないようにしないとな」
「え、あ、それだよ。別に星を変えなくてもいい」
「そうか、そうだな、カルチャーショックを受けたいからって言って、宇宙人として攻めて来てもらうように近場の修業グループに頼んでみようか」
「宇宙戦争か、わくわくするな」