ss0879 手紙
『手紙なんて書くの何年ぶりかしら、電子メールの時代だから漢字思い出すのに苦労したけどなんとか書けたわ。さて、出しに行こうっと』

『って、ポストどこだったっけ、郵便局までは民営化したから隣町まで行かないとならないし… 無いわ、無いわね、どうして無いのよ』

『赤くて大っきいんだからこれだけ町を歩けば絶対見逃す筈は無いのに。どういう事よ』

『あっ! ラッキー! 郵便屋さんだ』
「郵便屋さぁ〜ん」
「はいはい、なんでしょうかお嬢さん」
「手紙を出したいんですけど」
「あ、ありがとうございます。いいですよ、お預かり致しますよ」
「は〜い。あの、で、一応この町のポストの場所を知っておきたいんですぅ。どこでしたっけ?」
「はい? あなたの足元にあるじゃあありませんか」
「え! あ… こ、これっ!?」
「はい、今の時代手紙出す人少なくなりましたからね、手紙や葉書が一、二通しか入りませんよ」
「…」
「…」
『赤ちゃんポスト!!!!』