「目の色を変えて私利私欲にがっついてますな」
「おう、この新発売のカラーコンタクト素晴らしいよ。カラーコンタクトで目の色を変えるだけで性格まで変えられる」
「ニートだったお前が目の色を変えただけでこんなにやる気になるとわな、俺もなんかカラーコンタクト付けてみようかな」
「俺、セットで二十組買っちまったからお前に残りの十九組やるよ。俺は今付けているやる気の出るカラーコンタクトで満足しているからな」
「お、そうか悪いな。あれ、どれを付ければどうなるって、説明書き無いのかよ」
「ああ、最初からそんなの付いてなかったよ、俺は一発目で良いのに当たった」
「まてよ、パッケージに『一度付けたら二度と外せません』とか書いてあるぞ」
「あ、ほんとだ。ま、俺はこれでいいけどな。どうする?」
「付けるさ、俺も人生捨て気味だから今の自分を変えてみたい」
「お前…」
「しまった。左右で別々の色のカラーコンタクトを付けちまった」
「どうだ?」
「ジキルとハイドになっちまったようだ」
「なにやってるんだ!」
「角膜に溶け込む様だから、ジキルとハイドは嫌だから今の逆で重ね付けしてみるよ」
「あ、おまえまた間違えて別のカラーコンタクトを!!」
「ああんもう! 全部付けちまうか」
「どうだ? 怪人十九面相になった気分は? 多重人格を楽しめるか?」
「…」
「俺を見るな。どうせなら怪人二十面相になりたいんだろうがな」
「いや、十九組全てろくでもない性格だった」
「…」