「やはり資本主義社会は失敗だったな、貧富の差がこんなにまで開くとは…」
「ああ、『人間は自殺する生きものである』と云った奴が居たが… 生活苦なんかで… 地球全体で毎分何人も自殺するというレベルにまで来てしまっている」
「生きものとして異常すぎる。もはや人間は生きものではない」
「いまこそ全体主義社会の復活を! 全体主義社会が真の自由ではなくザミャーチンの我等、オーウェルの1984、ハクスリーのすばらしい新世界の様な高度に抑圧操作された未来世界であってもかまわないではないか。全員が、全体が生きてこそ、生きてこそ生きもの人間だろう」
「しかし、蟻などの昆虫ならいざ知らず、哺乳類は基本的に私利私欲で行動する生きものだぞ」
「確かに、情けない事だが、人間にはアガペーの愛は無い。だが、うまくオブラートに包めばなんとかなるぞ」
「そうだな、蟻に見習って女王様の復活をすれば良いのではないか? 日本はもともと卑弥呼を中心とした全体主義国家だった。個々人の利益よりも、国への忠誠よりもアイドルであった卑弥呼が大事だった筈だ」
「それだ!!!! それだよ! 卑弥呼級のアイドルさえ居れば… 大金持ちが全財産を寄進したり、社会に協力的になったりもする」
「よぉ〜し、仕掛けるか。でも、いきなり全体主義社会というフレーズじゃまずいから、かと言って資本主義社会でもないから、え〜と」
「シフォン主義社会でええんとちゃう? 女好き社会つー事で」
「…」