「命は無限が有限か」
「何を言っているの?」
「だからさ、死ぬとさ、天国とか地獄とかに行くじゃないか。そうするとさ、天国も地獄も宇宙が出来てから何百億年も経っているだろ、だからあの世ではものすごい数の命がひしめいているのか、あるいは命は有限で数が決まっていて生まれ変わりを繰り返しているのかなって事だよ」
「命が一度生まれれば不滅であるという事が前提なのね」
「あたりまえじゃないか、こんなすごいものが偶然に生まれて簡単に消滅するわけが無いじゃないか」
「そ、そうかもね」
「恐竜の命だって、アノマノカリスの命だって、虫けらの命だって、細菌やウイルスの命だって一度生まれたら永遠に生き続ける筈だよ」
「常に命が生まれ続けていて、この世で死んであの世に行ってあの世が命だらけになっていて大丈夫かという事なのね」
「だから最初からそう言っているじゃないか。命の数が有限なら、転生輪廻しているって事だろ、この世に命がまだ生まれ続けているんだから」
「そうね、でも」
「でも、何?」
「命ってそんなにすごいものなのかしら」
「虫けらの命や細菌やウイルスの命でひっかかっているようだね。差別はいけないよ」
「そうよね … 差別はいけないわよね」
「あたりまえじゃないか」