ss0868 発毛
「すごい発毛剤が開発されたものだな」
「うん、まったく毛穴が無くなった禿げおやじの頭からでも新たに毛穴を形成させて毛が生えて来る」
「すごいけど… ちょっとはみ出てしまったらおでこや耳にも毛が生えてしまうって事だろ」
「まあ、そこはうまくやるしかないよ」
「俺はまだ髪の毛はふさふさしているから、胸毛でも生やしてみるかな」
「おいおい、むりやり使う事はないぞ」
「まあ、そうだけど、あれ、女性も買って行くぞ」
「若い娘だな、でも、髪の毛はふさふさしている」
「なんか、病的に痩せてる娘だな」
「うん、きもいからほっとけ」

「… またきもいって言われちゃったわ」
「おねえちゃん気にしないで、宣伝でやってた発毛剤買えたんでしょ?」
「ええ、なんとかゲットできたわ」
「痩せてて冷え性で寒いんでしょ?」
「そうよ、寒くて死にそうよ。さっそく全身に塗りまくるわ」

「おねえちゃんすごい。おっきい犬みたい。あったかい?」
「すごいあったかいわ。服なんかとは比べ物にもならないわよ」
「おねえちゃん。太っているように見えるよ」
「まあ、ほんとだわ嬉しい」
「おねえちゃんは今日から動物として生きてゆくのね」
「そうよ。うふっ。わんわん」