ss0864 体の一部
「しかし… メガネは顔の一部というが、クリスタリンが目の周りから隆起して来て生体メガネを生成するようになるとはな」
「進化って、自然淘汰だけじゃないんだよ、獲得形質というものもある。強くそれを何世代も望むとそういう機能や形状を獲得出来るようになるんだ」
「しかし、それがメガネかよ、大きさを利用し、アクティブにレンズの厚みを変えて小さい細菌から遠くの天体まで見えるようだが…」
「あたしなんてもっとアクティブに進化したわよ、ほら、毎日違う服でしょ? 皮膚が服に変化出来るのよ」
「えっ! じゃあ君はいつも素っ裸だったのか」
「そ、そうよ」
「でも、いくら便利に進化しても、ぼくにはかなうまい」
「あっ、口がマスクと一体化している!!」
「どうだ、凄いだろう。しかもウイルスに強い抗体が染み込んでいるんだ。毎年その抗体は廻りの状況により変化する」
「でも、食事する時はその自慢のマスクをずらすんでしょ」
「そうだよ」
「ブタとか、トリとかも食べるんでしょ?」
「そうだよ」
「中途半端な進化ね」
「君らよりは長生きしてやるさ」
「うざくてキスも出来ないわね」
「あ…」