ss0852 子供は風の子
「子供は風の子って云うけど、大人より寒さに強いのかしら」
「逆だよ、極寒の地に棲む白熊は巨大になる事によって表面積を減らして体温を逃がさない様にしているんだ。表面積の大きい子供は物凄い寒がりだ」
「まあ、そうなの? でも」
「ちょこまか動き回って自分の体内から熱を発生させて対応しているのさ」
「まあ、そうだったの…」
「どうした?」
「ちょこまか動き回ってうるさいから、木に縛り付けちゃったの」
「ええっ!! この寒さだと死んじゃうぞ」

「あら、居ないわね」
「この状態は…」
「子供は風の子って本当だったのね」
「何処に飛ばされたんだぁ!」

「ただいま。パパ、ママ」
「何処に飛ばされてたんだぁ! 心配させやがって」
「そうよ、なんであんたわ何事に対してもそんなに軽い奴なのよ!」
「…」
「いたずらばかり、悪いことばかりしていると飛行出来るようになるんだね」
「この、非行少年がぁ!!」