ss0847 孫
「孫の顔が見れるようになったのはつい最近の事なのね」
「そのようだね、江戸時代の平均寿命が37歳というから、武士や公家、江戸の商人、土地を持つ本百姓などの特殊な生活を維持する事が出来た長生きする人達じゃないと孫の顔は見れなかったようだよ。江戸時代以前の平均寿命はもっと低かったようだから何千年、へたすると何万年も一部の特殊な階層の人たち以外は孫の顔を見れて来れていない事になる」
「ほんと驚きよね、一般ピープルは…、日本以外の国も似たり寄ったりだったようよね」
「今は物凄く異常な事になっているよな、一般ピープルなのに孫どころか曾孫、玄孫の顔まで見れるようになっている」
「でも、晩婚になって来ているから孫止まりが多いわよ」
「あ、そうだな、なんか変だけど、他の星の人達、宇宙人とかはどうなのかな?」
《よう、呼んだ?》
「テレパシーでいきなり話に加わってくるな!」
《ええやんええやん。孫の話ね、可愛いよねまごまごしてて、ぼくらは千世代くらい続いているかな? 凄いっしょ》
「あ…、そう…、細菌、ウイルスタイプさんね」
≪よう、呼んだ?≫
「はいはい、別の星の人ね、おたくはどうなの?」
≪ぼくらは分裂で増えて行くから、そんな概念はないよ≫
「あ…、そう…、単細胞タイプさんね」
<ねえ、呼んだ?>
「はいはい、また別の星の人ね、おたくはどうなの?」
<イメージ念波を送るわよ、この私の手の先のこの部分が孫なの>
「はいはい、植物人間さんね」