ss0844 たいやきくん2
「結局、ぼくが地球に芽生えさせた生物で生き残ったのは、たった3種類だけか…」
「あ、はい、神様、淘汰されてわたしを含めてたったの3種類だけが生き残りました」
「人間だね、ぼくに似せて作ったから生き残る事は予想していたよ」
「あ、はい、やっぱり」
「後の2種が意外だったな」
「そうですか?」
「うん、ゴキブリとか、細菌とか、ウイルスとかが生き残ると思ってたんだ」
「あ、はい、そうですか、それらは故意にわたしが滅ぼしてしまいました」
「犬と猫か…、わからないでもないけどね」
「いいじゃないですか」
「うん、べつにいいけどね、さみしくない?」
「べつに」
「ぼく、他の星にも生物を芽生えさせに行きたいんだけど、いいかな」
「いいですよ、とっとと行っちゃってください」
「…」
「どうかしましたか?」
「い、いや、べつにね、でも、そうすると地球上には、新種の生物はもう生まれないんだよ」
「べつにいいですよ」
「ほんとうに」
「はい、わたしとわたしをいやしてくれる犬と猫か居ればじゅうぶんです」
「じゃ、行っちゃうよ」
「うざいな、はやく行けよ」