「究極の宇宙服が完成した」
「これが究極の宇宙服か、凄いな、栄養補給、排泄物の処理はもちろん着用している人間の健康状態を常にチェックして、医療行為までこなしてしまうとはな」
「そうだ、究極の宇宙服だからな、200年くらいは無補給無整備で宇宙で生活ができる。つまり、一生なにもしなくても大丈夫という事だ」
「人間はメンテナンスさえ良ければ160年位生きるからな、これを着たら一生宇宙空間で生きるのに不自由はないという事なんだな、しかし、最初から大人サイズなんだな」
「それは仕方が無い。ちゃんと個々人の体格に合わせてオーダーメイドで作っている」
「って、この宇宙服って、一度着たら二度と脱げないんだろう? それにこれに入るのは受精卵の段階でとは…」
「ああそうだ、受精卵の段階の遺伝子でその人間の成長の全てのシュミレーションが出来る。成人した時の身長、体重、体格全てが計算できるから、それに基づいて宇宙服をオーダーメイドで作るんだ。成人するまでは、宇宙服が母親のお腹の羊水状態という事だ」
「なるほど、で、我々は?」
「もちろん今から着る事はできない。次世代の子供達の顔や成長する体も見る事もできない。有害な宇宙線や熱やガスを遮断するために外界とは全てセンサーを通して行なわれるからな」
「…、でも、これからの宇宙時代で人生をまっとうしてくれるわけだな」
「そうだ」