ss0837 しみるぜ
「太陽風は宇宙船を動かせてくれて便利だけど…」
「そうね、この季節、太陽風に乗って宇宙花粉が飛び散るのよね」
「目や鼻、喉に入って来てしみるのよね」
「ほんと苦しいわ、なんとかならないかしら」
「今まで元を絶つという計画が何度も有ったんだけど、生物の保護という事で見送られて来たんだよな」
「でも、そろそろ限界よ、我慢の限界だわ」
「そうだな、地球塵を封じ込める時が来たという事だな」
「地球塵って、地球人の事よね」
「そうだよ、スペースジブリとしても以前問題になっていたじゃないか」
「宇宙顕微鏡で見たら、動いていたわ、なんか、本当に生物のようだけど、いいの?」
「下等生物の命の重さというものは低いものなんだよ」
「まあ、そうだけど、彼らも自分達より下等としている虫を平気でひねり潰しているようですものね」
「そうだよ、ただ気持ち悪いという理由だけで殺しまくっているじゃないか」
「そうね、自業自得ね、宇宙ゼリーかなんかで固めちゃいましょう」
「それがいいよ、宇宙樹液なんてどうだい、琥珀として何万年も地球人を固まらせておけるよ」
「ちょっと待って、宇宙ゼリーや宇宙樹液なんてよく考えたら高価で勿体無いわよ、安物の宇宙殺虫剤と食べ残しの宇宙ガムでじゅうぶんだわ」
「ま、そんなとこだな」