ss0834 タイムカプセル
「タイムカプセルなのね」
「うん、タイムカプセルだ」
「タイムマシンじゃないのね」
「うん、タイムマシンじゃなくてタイムカプセルなんだ」
「ほんとうに飲み込んじゃっていいの?」
「いいよ」

『ごくん』

「お帰り」
「ただいま」
「どうだった?」
「いいわね、タイムカプセル。最高よ」
「だろ、でっかいタイムマシンを各時代でうまく隠して置いて、使う時にまた発掘するなんて超大変だからな」
「そうよ」
「あれ、いっぱいタイムカプセル持っているじゃないか」
「未来に行ったらタイムカプセルいっぱい安く売ってたのよ」
「そうか、この時代のタイムカプセルはまだ物凄く高価な薬だけど、未来では大量に出回っていて安くなっているんだね」
「そうよ、でも、もうこれも必要ないわ」
「え?」
「副作用で勝手にタイムトラベルしちゃう体質になっちゃったのよ、しかも自分では時代を選べないの。予期しない旅で楽しい反面、空気の無い時代とかにも行っちゃう可能性があるの」
「あ、消え出した」
「行ってきます。何処に飛ぶか判らないけど… わくわくだけど… お別れかも…」
「行ってらっしゃい。お大事に」