「へぇ〜、人類って一種類だけじゃなかったんだ」
「白人、黒人、黄色人…」
「それは人種じゃないよ、種というのは、交配できなくなってはじめて別種という事だよ」
「あ、そうね、外見からの犬種も多いけど犬は一つの種だし、オオカミも別種ではなく、犬種内に収まってしまうくらいですものね、って、人類は一種類だけじゃなかったの?」
「うん、交配できないくらいに離れた人種が何種類か居たそうだ。でも、生き残ったのは僕等だけだ」
「まあ、あたしたちが滅ぼしちゃったのかしら?」
「まあ、能動的にでも無いにせよ僕等が滅ぼしちゃったらしい」
「あなた、妙に抑揚を付けて話すじゃない」
「ハハハ、僕等は言葉を自在に使えるという一点で他の人種の繁栄を抑えて一人勝ちしたそうなんだ」
「…、なるほどわかるわ、いくら手が器用で知恵が働いて文明を創れる能力が有っても、それをスムースに進行させるアイテム、言語がなければなんにもならないものね」
「でも、この先僕等地球人類は生き残っていけるだろうか?」
「そうね、宇宙人達の会話の主流は、定番のテレパシーですものね」
「言語より優れたコミュニケーションツール、テレパシーか…、空気が無くても、遠く離れてても必要な相手と話せるんだよな」
「使えないと、過去の人種の仲間入りよ」