ss0829 宇宙人
「宇宙人ってなんか、動作や表現が大袈裟だな」
「あら、そうかしら」
「だって」
「まあね、あたし達は日本人だから特にそう感じちゃうけど、広い国土の中国人やアメリカ人なんか、みんなかなり大袈裟なジェスチャーをするわ、声も大きくはっきりしていて、それに日本人の様な変にまわりくどくてわかりにくい言い回しは一切しないじゃない?」
「あ、そうか、そう言われてみればそうだな、宇宙は広いから、宇宙を渡り歩くような宇宙人は中国人やアメリカ人よりももっと動作や表現が大袈裟になってしまうんだな、わかりやすくていいんだけれども」
「そうよ」
「そうだな…」
「なによ」
「でも、それとは違ったなんか変な動きもする」
「あら、本当。物を避ける時、自分の体よりも一回りも二回りも大きく避けようとする妙な動きね、するりとスムースだけれども…」
「だろ、僕等が自動車に乗って道路を走る時、慣れた自動車だと、自分の体が車体大に大きくなったような感覚になって、狭い道でもするりと通れるじゃないか、なんか彼等宇宙人の動きは、見えない大きな車体がそこに有るって、そんな感じだ」
「そうね、自動車の例えもいいけど、これはなんか…、手とか足とかを事故で失った人が、まだ手とか足とかがそこに有る様に感じて振舞っている。って、なんか、そんな感じかも」
「そういえばあの火星人の足、少ないね」
「おいしかった?」