ss0828 労働4
「働かざる者喰うべからず」
「そう、そうだけど、このシステムでのトップに立った私達は、このシステムを維持するために、仕事の価値を審議しなければならない」
「そう、文明を高度に発展させつつ維持させてゆく事が私達トップの労働なのだわ」
「科学者、医者、特殊技術者の労働に高値を付けるのはあたりまえだけど、それだけではだめだわ、先見の目を持つ事を私達トップの労働には求められている」
「弱者を切り捨てるだけではいけないという事ね」
「そう、表面的弱者と本当の弱者を見極める必要が有るのよ」
「本当の弱者とは?」
「決まってるじゃない、労働できなくなった者たちの事よ、怪我をしたり、病気になったり、老化したりしたら、粛清する事になっているわ」
「そうね、それから産まれ付きの遺伝病を患う者や、癌の中の癌である小児癌患者は発覚され次第直ぐに粛清される。あたりまえのようにね」
「他の個を圧迫する個は、消される。超合理化社会なのだわ」
「平等で、素晴らしい社会よね」

「本題に戻りましょう。仕事の価値を審議するのです」
「そうでしたね、そう、文明は意外なところから発展するものです」
「彼等おたく達の事ですね」
「そうです。彼等は今、借金で生きています。借金でもう何十年も生きて居る人もいます」
「消さずに生かしておく理由は? 借金を返してもらえる可能性はかなり低いですよ」
「彼等の中から一人でも、特異で凄い発明や、エリートからでは決して生み出せない、ユニークな文化価値のあるものを作ってくれれば採算はとれます」
「納得です」
「私も納得です」

 彼女等トップ達の息子達は…、親の気も知らず、ニートだった。