ss0827 労働3
「昔は保険っていうものがあったのよね」
「そう、それのために、その概念のために前の時代は崩壊したんだ」
「運用をちょっと誤っただけで全世界が不況に陥り、崩壊したのよね」
「人類はすっぱり保険制度を捨てて、完全な個人主義システムを導入した」
「今は、適者生存の時代なのよね」
「自然だよね」
「弱い者は生きてゆけない」
「自然だよね、他の動物と同じだ」
「あたりまえの世界に戻ったのよ、自然体が一番というのを再認識したのよ」
「もちろん公共の施設や道路、通信、水路などのライフラインを維持するために税金はとられる。でも、税率は金持ちだから、貧困者だからといって差を付けたりはしない」
「そう、年金制度も無くなり、計算もすっきりして、公務員という職種も無くなったのよね」
「能力のある者がいくらでも力を伸ばせる時代になったんだ」
「病人や貧困者に多額の保険金を支払わなくても良い時代になったのよね」
「崩壊しない強いシステムになったんだ」
「高度な文明を手に入れた後に、この完全な個人主義システムに移行した事に意味があるのよね」
「そうだよ高度な文明を手に入れた後だからこそ意味があるんだ」
「労働こそ、生ね」
「働かざる者喰うべからず」