「サヴエジって、こうして作られるのか」
「さうよ、サヴエジはこうやって作られるの」
「胎児の段階で脳になにもしなければみんな優秀な人間になってしまうわ、優秀な人間は少しでいいの、このシティーには、もっと庶民が欲しいのよ」
「そうだな、優性遺伝学の推進で最高の人間だけになってしまったからな、現代人は全て…」
「単純作業者が欲しいのよ、税金を払ってくれる人が欲しいのよ、私達の優雅な生活のために」
「そうだな、僕等のような優秀な人間はそんな仕事はしたがらないからな」
「でも、みんな遺伝子的には最高の能力者ばかりよ、脳の能力を抑えてサヴエジに無理やりして勿体無いわね」
「ふん、心にも無い事を…、運良く僕等は胎児の時になんの手も加えられず育てられ、このシティーのブレインとして最高に優遇された最高に優雅な生活をしている」
「うふふ、さうね、こんな役得は絶対手放せられないわ」
「いろんな段階のサヴエジが作られるんだな、社会の最底辺から最高能力者の僕等まで綺麗に数段階の階級が作られている。最底辺のサヴエジって…、昔の奴隷のような生活をしているのかな?」
「あなた、知らないの? 医学の発達のために彼等は犠牲になってくれているわ」
「モルモットか…」
「そう、それからグラジエーターにもなってくれている」
「えっ、コロシアムで見世物の殺し合いをやらせているのか、 死んだやつらは…」
「もちろん、臓器移植に使われるわ、だって、肉体は、遺伝子は、私達と変わらないんですもの…、免疫の拒絶反応も無いくらいにね」
「我等の犠牲は我等か…」