「溶ける、解ける、そして融けるわ、彼等との融合…、素適」
「しかしよくも収集したものだな、こんなもんばかり…。しかしまいったよ、おねいさん。あんたの執拗なまでの美少年の世界を求めるコア、『あんた』をダウンロードする女がこんなに居たなんて…」
「うふふ、世の中そういうものよ」
「街中に『あんた』が居るよ、おねいさん」
「あら、あらあら」
「頭の先から尻尾の先まで、『あんた』だよ」
「みんな、街をキャスター転がしながら妙な笑顔を作って歩いているよ」
「あら、あらあら」
「カリスマな人と同化したい。何から何まで同じにしたい。ファッションも持ち物も化粧も髪型も、そして精神も…」
「あら、あらあら」
「でも、もう少しなんとかならないか」
「だって、メイド服とか、ロココ服なんて恥かしいし、コスプレなんてもってのほかよ」
「いや、そこまでは求めちゃいないよ、もっと若者らしく… いや、してくれるならして欲しいけど」
「なによ、あんたみたいな最低男はあいてにしてないわ」
「はいはい、でも、その雰囲気は、美少年にも嫌われるよ」
「…」
「おお、やればできるじゃないか、美少女に見えるよ。美化フィルターは強力だな、肉体にも有効だ」
「あら、なんかなってしまえば嬉しい。バニーちゃんのかっこうで街を歩ける気分だわ」
「俺は…、ま、成り行き上…」
街は、内面どろどろした美少女美少年で溢れかえっていた。 うげっ