ss0803 鈴木家
「ついに日本は、鈴木家に征圧された。佐藤家、斎藤家… 強敵だったけど」
「そうね、日本人の名字は鈴木だけになってしまったわ」
「お隣の韓国・朝鮮も、金という名字に統一されてしまったようだ」
「そうね、中国もその他のアジア諸国も一つの国に一つの名字になりつつあるわ」
「あら、あなた、一郎って名前だったわよね? 鈴木一郎」
「そうだよ、夫の名前くらい忘れるなよ、ありゃ、どこの鈴木家の表札も鈴木一郎になっている!!」
「引っ越して来たついでにお隣の鈴木一郎さん宅に挨拶に行きましょうよ」
「そうだな、暗くなる前にこのまま行くか」
「あれ、留守かしら、まあ、ここも新築で引っ越して来たばかりってかんじね、ここの鈴木一郎さんもそのまた隣の鈴木一郎さん宅に挨拶に行っているのかしら?」
「どうやらそのようだな、挨拶は明日にしてかたづけものをしよう」
「そうね、あら、足音が聞える」
「いいよ、明日明日」
「まあ、なんか町中いっせいに家の明かりが灯いたわ」
「もしかしたら、日本中いっせいに明かりが灯ったかもしれないよ」
「お隣の韓国の金さんもこんな感じかしら」
「たぶんそうだろう」
「征圧に行く?」
「うん、ぼちぼち」
「世界征服する? 鈴木一郎」
「うん、そのうちな」