ss0797 セパレート
「もっと遠くに飛べたらなぁ、ぼくはこんな制約の中に収まるような小さな人間じゃないんだ」
「大きく出たな、えっと、クソじゃなくてな」
「あっくそじじい! このあいだはよくも」
「遠くに飛びたいとな、よし、夢をかなえてやろう」
「うわっなにするんだやめろくそじじい!」

「どうじゃ、遠くに飛べるようになったじゃろ」
「ロケットパァンチ!!」
「痛てっ! なにをしやがるんだばかやろう、おまえの夢をかなえてやったのに」
「ぼくをばらばらにして、動力を付けて飛べるようにしやがって、制約を解くとかばらすとかって、こんなことなわけないだろ!!」
「おまえはそこで考えるだけでいいんじゃ、頭だけでも飛ぶ。手足はもちろん下半身と上半身に分けた胴体だけでも飛ぶぞ」
「胴体を二つに分ける必要性なんてないだろ!」
「軽いからすぐにおしっことかに行けるぞ」
「そんなことだけのために機動性をつけるな!」
「かわいい娘がいたら、すぐやれちゃうぞ」
「…」
「ところで今回のは、簡単には戻せんぞ」
「…」