「しかしどの動物も植物も、生殖には物凄いエネルギーを注ぎ込むな」
「そうよね、一見無駄だと思うような事までするしね」
「魚なんか膨大な卵に何匹ものオスが無数の精子を煙になって見えなくなるくらいにかける…、物凄い無駄だ」
「ほんと、生物の性交は無駄だらけだわ」
「鳥なんか、わざわざ複数の卵を産んで、環境が悪いとなると一匹だけ残して巣から落としてしまったりする」
「ほんと、かわいそうなくらい生物の性交は無駄だらけだわ」
「植物なんか、膨大な花粉を作って風まかせで振り撒いたりする」
「そうよね、杉花粉には困ったものだわ」
「花か、なんか…」
「そうよね、花束にして、みんなに見られて、匂いまで嗅がれてしまうなんて、耐えられないわ」
「えっ…!? ああ、花は植物の生殖器だからな、ま、まあ集団のストリップショーみたいなもんか…? ひどい・」
「そうよ、ひどすぎるわ」
「そうか、ひどすぎたか、ごめんよ、どうしても君を縛ったり蝋燭垂らしたり、鞭で打ったりしないと気が済まないんだよ、無駄な行為とは思ってはいるんだけどね」
「類人猿なんかもそうだし、高等生物の性交は遊びも混じってて、ほんと、無駄だらけだわ」
「じゃ、我々より高等な宇宙人は、いったいどんな無駄な事をしているんだろう?」
「知っても、参考にしないでね」
「それはどうかな」