「卓球に強い中国人が、卓球をやることに特化した体形に進化するとは…」
「はい、猫背になり、足は常に曲げた状態で伸ばすことはできなくなっているようです。心拍、体内リズムも卓球の玉のリズムに同調しています。そしてなんと! 昆虫のように複眼となり、動体視力も抜群に進化しました!!」
「…!」
「平泳ぎに強い日本人が、平泳ぎをやることに特化した体形に進化するとは…」
「はい、蛙のようにがにまたになり、そしてなんと! 手足の指の間に水掻きの膜までできました!!」
「…!」
「陸上競技に強いアフリカ人が、陸上競技をやることに特化した体形に進化するとは…」
「はい、まさか、つま先足立ちを進化させた、足が馬のような奇蹄になるとは…!!」
「…!」
「…」
「…」
「人間の進化はそんなにも行き詰まっていたのか?」
「神に似せて造られた人間は、既に進化の頂点だったようです。人間としての箍を外してやっただけで、進化が一気に細分化した方向へ進みました」
「競歩に特化した人間も、走り幅跳びに特化した人間も…」
「もちろん居ます。オリンピック競技だけではありません。スキップに特化した人間も、舞妓さんの小走りに特化した人間も居ます」
「舞妓さんの小走りに特化した人間!?」
「はい、股間が固定されて小走りしかできなくなってしまいました」
「トイレがしずらいじゃないか」
「舞妓さんは古いタイプのアイドルですから、トイレには行きません」
「…」
「舞妓さんは古いタイプのアイドルですから、子作りもしません」
「…」