ss0743 テレビ電話
 仲の良い家族を築くために、テレビ電話は普及した。
「元気でやっているか? こっちは夜だけど」
「あっ、またパパからだ」
「そっちは夜なのね、日本へはいつ帰れるの?」
「まだまだだよ」
「この前もこんな会話しなかった?」
「気のせいだよ」
「なんかパパの顔、CGぽいね」
「こっちからもそう見えるよ」
 テレビ電話は、永遠に続いた。両方とも架空の存在だった。
 仲の良いロボットプログラミング家族が築かれたのだ。
 友達や会社にも普及させようと、その家族は思った。