ss0710 小惑星
「火星と木星の間に数万個もの小惑星が存在して居る、我々はこの軍のお下がりの宇宙船で、資源調査に行く」
「まあ、危ないわね、数万個もの小惑星の中に突入してゆくのね、うふふ」
「大丈夫だ、小惑星同士の平均距離は数千万キロも離れている、地球と月の平均距離が約三十八万キロであるから、それよりずっと離れているんだ」
「つまんない、でも、それはそれで大変だわ、一つ一つの小惑星を調べてゆくんでしょ? そんなに距離があったらどんだけかかるのよ」
「小惑星の全てを調べるわけではない、代表的なパターンの小惑星をいくつか調べるだけだ」
「あ、そうよね、それに氷といくつかの鉱物で構成されているだけだろうから簡単そうだし、ちゃちゃっとやっちゃいましょう、ちゃちゃっと」
「…」

「ほんと、この資源調査ってつまんないわね」
「まあそうだな、小惑星帯って、イメージからすると岩石のような荒削りのものが密集していて、宇宙船でくぐりぬけてスリルを楽しむって感じだものな」
「そうよ、ところでこの調査では、小惑星をプロトン砲とかで破壊してはいけないの? 内部を調べるとかいう理由とかでさ」
「調査の仕方は任せる、自由にやってくれっていってたよ」
「やっちゃいますか」
「お、おう!」

 こうして小惑星帯は、本来のイメージどおりの小惑星帯となった。そして宇宙旅行客の人気ナンバーワンスポットとなったという事は云うまでもない。