ss0700 現代の子たち
「現代の子供達はなんかのびのびと生きていないよな」
「そうね、年金は摂られても貰えない事が確定しているし、仕事は老人介護しかなくなっているし、地球を汚す行為は全て禁止する法律でがんじがらめよ、自由にシャワーすらあびれない」
「我々が子供や青年の時は、自由に自分の為に時間とお金が使えたのに、なんてかわいそうなんだ、恋愛するにも常に地球を汚さないようにびくびくしながら微微たるお金を使う、彼女へのプレゼントもさみしいエコグッツ、自慢話はどれだけ電気を使わなかったとか、農薬無しのキャベツを作るのを手伝ったとか、老人の昔話を丸一日聞いてあげたとか…」
「もうやめて! 今の子たちはなんのために生きているの! ひどすぎるわ! 生きがいをもてる仕事も無い、街は老人だらけ、あれもやっちゃだめ、これもやっちゃだめ、そして給料の殆どを老人達のために税として摂られていく、しかもそれを当たり前の事として教育されているのよ!!」
「確かに、ひどすぎる。自由な時代があったことすら教えられていない。だから、反抗すらしない。革命は… 我々大人がしてあげるべきだ!!」
「そうよ、かわいそうな現代の子たちを救うのよ!」

 革命は成功した。

 現代の子たちは、それでもおとなしかった。

 結局、大人たちはバブル時代を自分達の為だけに再現し、地球は… 完全にはじけた。修復は不可能である。