「霊長類以外の哺乳類って、みんな色盲なんですってね」
「そうみたいね、みんな殆どモノクロの世界で生きているようよ」
「人間はこの先大丈夫かしら、人間以外の霊長類は森の中で暮らしているから、木の上で暮らしているからいろんな色が見えるようになっているわけでしょ? 様々な色の果実を瞬時に熟し度合いまで認識出来るようにね、人間はもう森では暮らして居ないわ」
「そうね、不要になった機能は消えていくからね、動物はビタミンCが必ず必要なんだそうだけど、霊長類も最初は他の動物のように自分達の体内で生成していたのに、森に豊富にある果物で簡単に補給出来るので体内生成の機能を無くしてしまったわ、それと同じように色盲になる危機は有るでしょうね」
「今でも森で暮らして居る霊長類は、人間以上に緑色の領域を細かく見分けられるようよ、彼らからすれば、人間は既に色盲状態になってしまっているわ」
「まあ、なんとかしなければならないわね、文明の中にある、人間の作った色って、生物人間が欲しているとは限らないわ、いつか犬のように完全な色盲になってしまう時代が来るかもしれないわ」
「東京って、意外と緑がおおいんやな」
「これからもっともっと増やしていくようやで」
大阪も東京や一度消滅させてしまった森を復活させたりしているヨーロッパを見習わなければならない。