ss0690 シャボン玉
「柔らかい金属である黄金を叩いて金箔にするという技術が昔からあるけど、熟練の職人は黄金が透けて見える程薄くする事が出来るみたいだな、分子一つの厚さの部分もあるようだ、神業だよ、でも持つだけですぐ破れちゃうんだよな」
「金属の分子は比較的大きいほうだよ、水の分子は金属より小さいけど、俺でも分子一つの厚さにする事ができるぞ、ほら」
「シャボン玉か、確かに割れる寸前のシャボン玉は水の分子一つ分になる、でもすぐ破れちゃ意味がないんだよ、ところで素粒子一つ分の薄さの膜って作れるのかな、クオークとかでさ」
「絶対無理だと思うけど、そんなもの作ってどうするんだい?」
「柔軟性と薄くても破れないものが欲しいんだ、付けてても付けてないのと同じくらいのものが欲しいんだよ」
「おまえな、また子供が増えたのか、そんな事のためにノーベル賞の学者達は研究してるんじゃないぞ」
「なにを勘違いしているんだ、生体膜の代わりに使用するんだよ」
「どっちにしろ素通りして使い物にならないよ」