ss0665 アダムとイブの血液型
「未開の星とかにカップルで派遣されて、そこで子孫を増やせという指令が下った場合、その星のアダムとイブは遺伝的に物凄く異質でなければならない」
「そうですね、単純な例で血液型で考察するなら、O型どうしのカップルは絶対に避けないといけませんよね」
「そうだね、O型は内在される血液型もO型で、Ooだからね、子孫は全てO型になってしまい多様性の道が閉ざされてしまう」
「一見A型とB型のカップルがよさそうですが、注意しないといけませんよね、Aa型とBb型のカップルだと二世代目は全てAB型になって、三世代目以降からA型とB型も復活するけどO型は絶対に産まれない」
「そうだね、Ao、Bo型タイプを片方でもいいから混ぜないといけない」
「内在される血液型の検査は多少技術を要するので、やはり未開の星にカップルで派遣する場合はO型とAB型のカップルに決定ですね」
「そうだね、その要領で他の赤血球、白血球、血小板の全ての血液型の選出をしなければならないね、まあ、カップルという二人だけに絞った選出だから損失してしまう血液型や酵素、遺伝子もあるけど仕方があるまい」
「…。あたしそこまで考えていませんでした。それはけっこう選出だけでも大変な作業ですよ」
「そうだね、遺伝子操作で全ての遺伝子を取り込んだ人間を作ったほうがてっとりばやいか」

「人類の全ての遺伝子を取り込んだんで、性遺伝子も取り込んだんで、カップルにする必要はなくなっちゃいましたね」
「そうだね、派遣された現地の星で必要な部分だけ読み取って子孫をクローン技術で出すだけでいい」
「なんか、味気ないですね、でも、この調子で地球上全ての生物も内包させてあげましょうよ」
「そうだね、そうするとそいつは、そいつ自身がノアの箱舟状態になるね」

 こうして地球上の生物は他の星に移植されていった。