ss0654 きみは美しい |
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「光の速度は真空中では、秒速で約30万キロだから、太陽は地球から約1億5千万キロ離れているから、ぼくらはいつも約8分前の太陽を見ている事になるんだよね」 「まあ、そんなこと意識してなかったわ、直接太陽なんか眩しくて見れないけど、あたしたちに降り注ぐ太陽の光はいつも8分前のものなのね」 「眩しくない夜空の星たちなんか、みんな物凄く離れているから、何千年、何万年、何億年前の過去の星たちをぼくらは見ている事になるんだよね」 「まあ、ロマンチックね」 「今のきみは美しい、永遠に美しいきみを感じつづけたいから、ぼくは宇宙に旅に出るよ」 「まあ、うまいこと言うわね、あなたはわたしの過去の通信を受けつづけるのね」 「じゃ、行ってくるよ」 「いってらっしゃい、帰って来ないでね」