ss0652 タイムマシン
「これがタイムマシンかね、素晴らしいついに完成したんだね」
「ええ、でも過去へは行けません。未来にしか行く事はできません」
「それでも凄いじゃないか、いったいどういう原理なんだ? タイムスリープしている間はどんな感じなんだ?」
「…」
「おれを乗せてもらえないか? とりあえず十年後にタイムスリープさせてくれ」
「わかった、タイムスリープさせるよ」

「おお、ほんとうに十年後の世界に来たぞ! ああ、きみたちちょっと老けたね」
「あなたの望んだ十年後ですが、よかったのですよね」
「ああ、問題ないよ、過去には戻れなかったんだよね」
「そうです。ところで… あなたの部屋にタイムマシンを設置して置きましたので、電気代と家賃が十年分溜まっております」
「えっ?」
「このタイムマシンは、タイムスリップさせるのではなく、タイムスリープさせるタイプのタイムマシンなのです。承知の上でしたよね」
「… 電気代と家賃どうしよう。単なるコールドスリープだったのね」
「冷凍代高いですよ」