ss0651 介護士
「わたしたちの故郷では、わたしたちは医師や看護師だったのに、此処ではみんな介護士に格下げなのね」
「しかしこいつら何様のつもりなんだろうね、自分達の親が歳をとったら自分達ではなく、わたしたちに押し付けるなんて… しかも給料は安くて重労働よ」
「わたしたちの故郷が貧しいからって、なめているのよ、介護の勉強が出来るからいいだろとか、経済格差があるからこの程度の給料でもいいだろとか、お前らの生活習慣行事は認めてやるが隅っこで邪魔にならないようにやれとか、ひどすぎるわ」
「そうよ、まるでわたしたちを人間扱いしていないわ、そう、習慣の違いからくるイジメもいっぱいあるし」
「人間扱い…。それは違うわ、人間扱いはしているわよ、わたしたち人間はかれら宇宙人の奴隷なんですから」
「そうでした」
「なんか、デジャブを感じるわね」
「そうね、かつてわたしたちの地球で、日本という国がインドネシアの看護師を狩り集めて、技術レベルが違うからとか、言葉がうまく喋れないからとか色々むちゃくちゃな理由を付けて、介護士に格下げさせて日本で劣悪な環境で働かせていたわ、今のわたしたちの状況はそれにそっくりよ」
「同じ穴の狢ってやつね」