ss0649 月面基地 |
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「いくら地球が青くて美しいからといって、いつも天空にどっか〜んと浮かんでいると流石にうざったいわね」 「そうだよな、月の自転時間と地球をめぐる公転時間が一致しているから、月は常に地球に自分の片面しか曝していない。だからこの月から地球が見えるところに基地を造ってしまうと、常に天空に地球が浮かんで見えてしまうということになるんだよな」 「あたしたち月産まれの人間にとっては、地球なんかどうでもいい星よね」 「そうだよ、星空が綺麗な、うざい地球なんかが見えない反対側に移り住もうよ」 「そうしましょうよ、なんか何時も地球人に監視されているって感じで凄くいやだったのよ」 「あれ、なんか、月の表面の基地、少なくなってない?」 「ほんとだ」 「なんでも月の住民はみんな、地球から見えない裏側に引越ししているみたいだよ」 「子離れの時期になったのね、なんか淋しいわ」 「独立戦争が起きないぶん、良しとしなければならないのかな」