ss0647 電波
「電波は光と同じ電磁波の一種だから、直進するのよね」
「そうだよ、だから丸い星の裏側まで電波で通信するには中継衛星が必要になるんだ」
「中継衛星を通して見るテレビって、なんかタイムラグがあって、ずれた会話になって変な感じよね」
「そうだな、地球に何本か直線のトンネルを掘って裏側にも直で電波を送れるようにするか」
「マグマとかあるわよ」
「今の技術なら大丈夫だよ」

「凄いわ、地球の裏側の放送が全部受信出来るのね、タイムラグも無くなったわ、でも…。ちょっと味気なくなったわね」
「贅沢な奴だな、せっかくトンネル掘ってやったのに、じゃ、波長の長い電波で通信してみるかい?」

「まあ、面白い、物凄いタイムラグね、この技術も保持しているのね」
「そうだよ、宇宙人が攻めて来た時は、直線のトンネルを利用されないように埋めて、この波長の長い電波で通信するんだ。地球大気の上層部には電離層があるから、そこで地表と何度も反射を繰り返して波長の長い電波は地球の裏側まで届くんだ」
「へぇ〜、面白いわね、早く宇宙人、攻めて来ないかしら」
「…」