ss0637 スペースラムジェット
「この船は、宇宙を掃除しながら進行する最新型の宇宙船ですよね、船長」
「そうだ、この船は星間物質である水素ガスや隕石を取り込んでエネルギーに変換して航行する、優れた超長期航行用の宇宙船だ。氷も取り込み飲み水に精製する技術も、有機物を食料にする技術もある」
「宇宙空間には有機物が少ないですから、搭乗員である人間へのヘネルギー変換は不足気味になりますね」
「そうだ、だから糞尿も捨ててはならない、再生成して再び食料にするのだ」
「…」
「わかってるな、わしは地球に帰る事無く寿命となるだろう、そうしたらわしの体も再生成して食料にするのだ」
「そんな事言わないでください船長!」
「いいんだ、君の血となり、肉となって地球に帰還出来るだけでわしは満足だよ」
「嫌です船長! 自分の糞尿ならまだしも、病気持ちで変体の船長をあたしの体内に入れるなんて…」
「…」
「…」
「わたしは君の糞尿以下という事だね、いいんだよ、君がわしより先に逝く可能性だってあるんだ」
「やめてください!! もっと絶対嫌です! 船長の体の一部になるくらいなら、わたしを宇宙空間に捨てたままにしてください!」
「…」