ss0635 加速剤
「亀って動作が遅くてなかなか目的地に付かないのね、かわいそう、ほんとうは自分でもすんごくいらいらしているんじゃないのかしら」
「意外とそうかもしれないわね、じゃ、この加速剤飲ませてみる?」
「これが定番の加速剤というやつね、でも、副作用で老化も加速してしまうという…」
「亀は長生きじゃない、長い一生のうち、たった一日でもいいじゃない、体験させてあげたら?」
「そうね、は〜い、あ〜んして」
「は〜い、あ〜んして」

「手足から火が出てるわ、あっ飛んだ! 加速のしすぎよ」
「あ、まずいわ、小さい動物には薄めてって書いてあるわ」
「あらあら… 大変! 燃え尽きて墜落してしまったわ」

「うそ! 老化が進みすぎてるわ…」
「でも、楽しかったって顔… かしら?」
「と、いうか、いっちゃった顔ね」
「あれね、パソコンのマウス操作と同じよ」
「?」
「ドラックアンドドロップよ」
「!」