「エネルギーは物質に変換出来るし、反対に物質はエネルギーに変換出来る。その技術でビーム砲により目的地に容易に物質を転送出来るようになった。生体だって問題ない」
「しかし、その技術は質量保存の法則に法っている。大きな物を転送する時、重くて時間がかかる。そこでもっとコンパクトな物質転送機が最近開発された」
「ああ、情報局が開発を進めていたあれだな」
「そうだ、もう実験の段階に入っている。重いビーム砲ではなく、情報のみをレーザーで目的地に照射して送るというものだ」
「それでは物質転送ではなく、通信だけではないか?」
「転送物の情報に添付して、組立情報も送るんだよ、そして物は、生き物の場合は有機物とかだけど、それは現地の有機物を使用するんだ」
「なるほど、しかし、現地に必要とされる物質が揃ってなかったらだめじゃないか、現地で組立られない」
「それはけっこう柔軟性を持たせてある。現地に必要な物質が無い場合、代わりに別の物質を取り込めるようにしたんだ。つまり、生体を組立てるのにじゅうぶんな有機物が無い場合、金属とかが代わりに使われる」
「なんと、送り先でロボットに変身出来るのか、素晴らしい」
「情報だから拡大縮小変形も自由自在だ。添付情報プログラムしだいでな」
「… 誰だうんち≠転送してきた奴は!」
「これは… 添付情報プログラムがウイルスにやられている…」
「それはどんなウイルスだ?」
「それが… 転送物を消化させてから組立てるウイルスだ」
「… この巨大なうんち≠ヘ、誰かの成れの果てなのか!!」