「光速に拘束されて遠くへの宇宙旅行は難しいものになっている」
「ワープとか、ブラックホール、ホワイトホールを利用するとかいっても宇宙船がそんなものに耐えられるわけがない。よってうらしま効果もありえない」
「そうだよ、宇宙船の運航は太陽風を利用するというのががいいところだよ。宇宙船だけじゃない、光速を超えるということは、光速、電気の速さで思考している人間の精神にも影響を及ぼすはずだしね」
「光速よりはるかに速いもので思考できたら素晴らしいだろうな、光速で計算するコンピーターより速く計算したりできるだろうし、文明文化もいっきに進むだろう」
「でも、それを人間に適用するというのはどうだろう。脳が全ての機能を使わずに、脳のほんの数パーセントしか発動させずに一生を終えるにはわけがあるはずだ。ものごとをわざわざ忘れるというプログラミングまで遺伝子には刻まれている。ものごとを忘れられないサバンの人たちは天才とかいわれるけど、普段の生活がままならない。生きてゆくうえでは忘れるということは重要なことだ。光速以上になってもそれは同じことで、むしろやっかいなものになるだろう」
「そうだよ、やはり機械やコンピーターだけにそれは適用させるべきだよ」
「というか、そんなものは無い」
「…」
「有ったとしても、それを利用している生物とは噛み合わないだろうし、体を走るものもそれなら、我々は彼らを見る事も触れる事も出来ない」
「そうだな、それを利用している生物からは、逆に我々は遅すぎて見えないんだろうか?」
「なんか、脳が梗塞してきた…」