「トイレが… 昔の日本のトイレと同じなのね」
「和式便所の元祖だな」
「洋式トイレの設置があることはあるけど、こんなに少ないの…」
「洋式トイレでないと用を足せない子たちはみんな便秘になっちゃうぞ」
「これはコーチ、監督としてなんとかせねばなるまい、中国式トイレに被せる様に簡易便座を作って選手全員に支給しよう」
「でも… それは大袈裟だし、持ち歩くのは恥ずかしいし、失礼にもあたるわ」
「それもそうだな、じゃ、坂本竜馬が写真を撮る時に体を棒で支えたように、背中と壁の間に棒を付けたらどうだろう、簡易便座よりずっとコンパクトだぞ」
「跳ね返りが凄くなっちゃうわよ」
「そうか…」
「やはり、イメージトレーニングしかないわよ、しゃがんでいるんじゃなくて、座っているって思い込むのよ、小脳の発達した彼らには技術的にもすぐにマスター出来るはずだわ」
「全員マスターしたようね、これでどんな体制でも、何処の国のトイレでも大丈夫よ。 足腰も鍛えられていいわね」
「しかし… この練習風景… 昔ヤンキーだった俺達の学生時代を思い出すな」
「いっしょにしないで、眼つきの指導とかはいいから」
影で努力しているコーチ、監督の事を忘れてはいけない。