「政府、税務担当者は民間企業の努力を踏み躙り続けて来た。今また我々の新製品に…」
「いいかげんにしてほしいよな、アルコール度数を抑えてビールや酒に変わるものを開発し続け、今では全くビールと言っても遜色ないものを開発出来るまでになったのに… 従来の法律では酒扱いにならないアルコール度数の低いものにまで多額の酒税をすぐに法改正してかけやがる。自分達が決めた細かいアルコール度数による税率をころころ変えていきやがる…」
「しかし信じられないよな、こういう事に関してだけは迅速に何年もかけずに法律が変わってしまう…」
「消費者も可愛そうだよ、本来は手頃な価格で本物や本物に近いものを味わえる筈なのに、まがいものが今ではその価格だ」
「次の新製品は… 飲み心地は最高だが、酔う事が難しい…」
「なんだかな… 仕事が終わって、飲んで、酔えない…」
「アルコールを分解する酵素が低い人にはこれでもじゅうぶん酔えるんだろうがな」
「そうだな、欧米にはこの新製品は絶対に受け入れられないぞ、欧米人は酒に強い遺伝子をみんなが元々もっているからな」
「ん、日本人は酒に弱い…! これは使えるぞ」
「え?」
こうして遺伝子操作して、よりいっそうアルコールを分解出来ない、酒に弱すぎる日本人が製造されだした。
そしてそのアルコールゆとり世代が大人になったころ、事件が起き始めた。
「お前達… 酢の物食って… 酢に入っている微量のアルコールで酔っ払っているのか…?」
「あ、まて、日本酒、ウイスキー!!… それを飲んだら死ぬぞ!」
こうして日本でも、禁酒令が施行された。