ss0622 重力
「地球の自転公転を微妙に操作出来るようになれば、地球温暖化なんかぜんぜん怖くないのにな」
「そうだな、春夏秋冬の四季だって、毎日の天気だって好きなように変える事が出来る」
「気温や天気だけじゃないぞ、重力だって思いのままだ」
「そうだな、地球そのものの自転公転は難しいけど、研究施設内程度なら、重力を操れるようになってきた」
「地球の重力が1Gだよな、その施設ではどの程度まで作れるんだ?」
「丸の内線程の広大な敷地を地下に設けている。危険なので上は2G、下は−2Gまでの規定があって試してないが、かなりの自由度があるよ、人間はゆくゆくは2Gの施設内で生活させるつもりだ」
「え? そんなに強い重力で大丈夫なのか? それにどうしてなんだ」
「重力が強い処で生活させると、ほんの一世代程度で小型化出来る事がわかってきたんだ、食料やエネルギー問題はこれで解決出来る」
「なるほど、聞いた事がある、昆虫は外骨格だから重力の影響を受けて大きくなれない。植物も細胞壁の硬い木はともかく、食料となる野菜とかは重力の影響を受けて大きくなれない。食料は逆に−2Gくらいで育てて巨大にするわけだな」
「そういうことだ」
「ああ、しかし、俺は今すぐに小さくなりたいな」
「ん? なんでだ」
「巨大な女に抱かれて、窒息するのが俺のゆめだったんだ」
「…」