ss0617 地球も空洞だった
「地底監査の結果、地中奥深く空洞が有る事が判った」
「ロストワールドが有ったのですね、恐竜とかが居て、古代の海や空洞を回る太陽も有る」
「有った。だが、ロストワールドではなく、逆に高度に発達した文明文化が有った。そしてそこには…」
「まさか、人間は居なかったと?」
「そうだ、知能が我々よりずっと進んだ昆虫が居て、その高度な文明文化を築いていた」
「え… そんな凄い奴らが地底帝国を築いていて、我々地表に生きる生物を支配しようと出てこないとはどういう事です?」
「静かに時を待っているような感じだった。冒険監査に来た我々人間に興味もわかないという感じだったよ。我々は彼らに、高見から悟ったように見られているという感じだった。体は我々よりずっと小さかったのに…」
「我々の文明文化が放っておいても自然に消滅するとでも思っているのでしょうか?」
「そうだ、そんな感じだったよ」
「恐竜が隕石の衝突で絶滅したように、人類もかってに滅びる運命で、それは避けられないことなのですね」
「そうだ、隕石の衝突は定期的に確実に起こる事なんだ。だから地球はタマネギ状に空洞が続いている」
「え、まさかその昆虫の文明の下にもさらに空洞が!?」
「有った。昆虫の文明文化よりもさらに発達した、神とも思えるほどの微生物が住む地底帝国が…」

「… つまり、かつて現代の地表の上に恐竜の世界があって、その恐竜の時代には我々人間も地底空洞で生活していたと…」
「そういう事だ。地球は隕石がぶつかる度に一皮剥けて小さくなってきたようだ」
「他の星の生物たちもこういうタマネギ戦略をとっているんですかね?」
「だろうな、そうじゃなきゃこんな危険きわまりない宇宙で生物なんてやってられないよ」