ss0616 コンタクトの確率
「一つの原初的原子、プライミーバルアトムの爆発、ビッグバンで、一つしか宇宙が出来ないというのは常識的な物理学から計算して、あまりにもナンセンスな答えだ。超高密度のエネルギーが炸裂した場合、無数の泡のように幾つもの宇宙が同時に出来るというのが常識だ」
「そうすると、我々の宇宙と同規模の宇宙が幾つも有るという事なのですね」
「そうだ、だからこの宇宙で我々の地球にしか生物が存在せず、高等生物も人間だけであったとしても、必ず幾つも有る宇宙のどれかには生物が… 高等な生物が居る筈だ」
「でも、宇宙が違うのではコンタクトをとる事は出来ませんね」
「そうだな、でも個々の宇宙が膨張を続けている。宇宙同士がぶつかって一つの巨大な宇宙になる事を期待しようじゃないか」

「途方も無い先の事でしょうね」

「その前に収縮が始まり、元のプライミーバルアトムに戻っちゃったりしてな」
「…」

「そもそもそのプライミーバルアトムも一つじゃなかったりしてな」
「…」

「我々地球人は孤独のまま終わったとしても、何時かきっと高等生物同士のコンタクトは実現するだろう」
「…」