ss0613 猫
「ねこまんまって、こんなもん食わしていいのか?」
「そうよね、鳥や鼠が好きなのはわかるけど、ねこまんま、それから魚好きってゆうのがよくわからないわ」
「日本人が嗜好を変えていったのかなぁ」
「そういえば尻尾がまるまって小さくなっているのって、江戸時代の庶民の趣味だったみたいよ」
「へぇだから外国にはそういうのが居ないんだ」
「それからめったに生まれない三毛猫のオスとか、左右の目の虹彩の色が違うのが時々生まれて珍重されてたみたいね」

「まあ、体を擦りながら纏わり付いて来たわ。頭が流線型だからよけいにエレガントな動きね」
「猫の額がなせる技だな」
「猫の手って最高に可愛いわね」
「格納出来るスパイク爪がまたかっこいいよ」

「そろそろ始まるみたいだよ、うちの子も今年は参加させるんだろ」
「ええ、もちろんよ。そうね、猫の最大の能力、高い処から落としてもくるっと回って綺麗に着地する素適な競技、十点満点で技と美しさを競うのよね」
「今年からその拡張版が加わるみたいだよ」

「…」
「どれだけ高い処から落としても大丈夫かの競技だって!?」
「…」
「賞金めちゃめちゃ高いよ」
「…」